MINOLTA REPO vs CANON DEMI


ミノルタ・レポをみやっちから預かった。パパがしばらく使っていないので、可動前の点検を依頼されたのだ。ちょっと試写もして見た。そのついでに、3年ほど前の大阪オフ会の時に手に入れた、キヤノン・デミも露出計の故障のまま放り出していたので、似た機能のハーフということもあり、比較には良いかとレストアした。

CANON DEMI



ご存知の通り、デミは最中構造だから軍艦部にあるセレンまでアクセスするにも完全にカバーを外さなければならない。これが実に面倒で、放り出していたのだ。
露出計はテスターで電圧をかけるとビンビン動く。シリーズに小さな抵抗とセレンがボディーアースでついているだけという極めてシンプルなもの。セレンの起電力はまったく無く、これではメーターが動くはずも無い。



新しいセレンを削って、ほぼ同じ形にした。端子の関係で少し幅が小さいが、メーターの感度は不足していないので、抵抗も含めてそのまま半田付けした。ボディーアースは端子から直接落とす構造なので、半田を少し盛って対処した。



組み込んだところ。ついでに巻き上げ部の給油など一通りのメンテナンスをした。



セレンのところの白いものは、仮固定用のテープだ。組み立ててから気がつき、もう一度分解した・笑
モルトはべたべたに張り付いていたので、全部交換して終了。書くと短いが、レンズ周りの芋ネジはルーペで見ながらまわすなど、老眼ならではの苦労が多かった。あまりやりたい作業ではない。



デミEE17と並べてみた。わずかだがオリジナルの方が小さい。結構違いもある。改良に手抜きしていない証拠で、好感を持った。

MINOLTA REPO

レポはその後いろいろ整備していて、こちらからリンクしている



底面に打撃痕があり、慎重に裏からたたいて平らにした。中身は簡素なものだ。ついでに給油した。



軍艦部はペンDなどと似ている。下からのアームでEVリングの動きを露出計内の設定指針に伝えている。ここも給油と清掃のみ。



蝶番部のモルトを交換、噛み合わせ部には毛糸で遮光を強化した。



非常にすっきりした外観で、小さいが安っぽくない。追針式にあわせて写すのは使いやすく、ストレスの無いスナップができる。こんな小さなレンズでも、ロッコールと書いてあるとなぜか安心してしまう。

《試写》・両機ともネオパンプレスト・D76にて

【デミ】













明るい遠景はあまり得意ではないが、比較的光の弱いところの描写は抜群だ。特に、室内の人物は、開放・1/30秒だが立派なものだ。遠景は私のピント再調整の影響もあると思うが、1/250秒・F16ではプレストではオーバーなので、感度の低いフイルムを使うべきだろう。そうなるともっと良い結果が期待できる。交換したセレンはほぼ適正値を示した。

【レポ】













デミと同傾向で、遠景よりも3-5メートルの被写体にマッチしている。フイルムその他の条件も近いので、結果も大差は無い。オーバーでも何とか絵にする点は、内面反射が少ないことにも拠ると思う。

《結果判定》

どちらもハーフの普及機で、手動設定するカメラというカテゴリーはほぼ同じだし、ちゃんと見られる写真にするという点も、真面目に作られたものと感じた。差は無く、わずかに持ち味が違うが、どちらも立派に使える実用機だ。
メンテナンスを考えればレポ、現在のシャッターや絞りがわかるという点ではデミが優れている。レンズは好みによるだろう。


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