KONI-OMEGA Rapid
オメガ社、時計ではなくクロメガ引伸機などで有名なオメガが、コニカに製作させたプレスカメラだ。コニオメガプレスとして有名で、これは初期型と思われる。
このカメラ本体は新しい方のコニカプレス2を使っているから、二台揃えるまでも無いのだが、58o5.6の広角におまけとしてついてきたのだ。おまけと言っても完全に動くもので、私から言うと完全品である。
シッャターのスローが少し粘るので先ずはレンズを開いてみた。
セルフタイマーが無いのでシンプルだが、セイコーの1/500秒まで倍数系列シャッターである。セットリングのギアで駆動軸をチャージするもので、コンパーとプロンターの折衷様式と言えよう。マミヤプレスやCプロなど多くのカメラに採用されている信頼性の高いシャッターだ。
58oは前後に突き出したほぼ対称配置の広角構成で、いかにも写りそうなきれいな作りだ。
給油のために底部カバーを外した。見えているのは巻き上げノブに連動してシャッターチャージを伝えるリンク部。
アパーチャーの横に見えるのはシャッターボタンに連動し、フイルム押さえを押すピン
フイルムホルダー部をシャッターボタンに連動するピンが押すと、フイルム押さえが前進して、フイルムを密着させる構造。トンネル式ではなく、基準面にフイルムを押し付けて固定する。フイルムの平面性と巻上げの軽さを同時に実現している。
形はコニオメガ独特のスタイルだが、このホルダーは途中交換出来ない。ヒキブタが無く(本体側に遮光のシステムはあるからレンズ交換はできる)バツク部を外すとフイルムが光の中に出てしまうのだ。実用的にはほとんど問題ない。
《試写》
アクロスにてテスト撮影してみた。カメラとしてはほぼ経験済みなので、実用として柿田川に持ち出した。
下はピントを合わせた部分。広角としてはピントがよく出ている。
輝度差が激しくあったのだが、見た感じの明るさで表現できた。
☆マミヤプレスと比べて厚みが薄く小柄だが、しっかりした作りで剛性の不足は全く感じられない。左手でシャッターとホールド、右手はピントと巻上げ+ホールドと分業が出来ていて、レバー一作動でシャッターセットもできるのは非常に使いやすい。あえて言うなら67ではなく68にして欲しかったが、これは好みの問題。
58oは暗いこともあるだろうが、開放から非常に切れ味鋭く、コントラストがある現代的なものだ。さすがヘキサノンと言うところだろう。