続 YASHIKA HALF 14



これは二度目の報告と言うことになる。以前のものは露出計と回路がおかしいので強制マニュアル(露出計の針を手動で設定)だったから、完全体の報告とは言えないので、改めて報告したいと思っていた。今回はジャンクながら直せる個体だったので再レポートする。







汚れているので軍艦部と底部のカバーを外し、徹底清掃した。動きが渋かったので、同時に各部に給油。



テスターで当たると、露出計は作動している。巻上げやカウンターも異常なし。

電池を入れたらきちんと動き、数値的に問題無しと見たのでテスト撮影したら、明るい所はまあまあだが、暗い所は大幅アンダーで、使えるカットが少ない。
ウラブタを開けて確認したら、シャッターがほぼ定速になっていた。ほとんどレンズつきカメラである。フイルムのラティテュードで写していたわけだ。





感度設定部を外して前玉を外す。



右下のフライホイールがシャッター兼絞りを司る。そういう意味ではハーフ14とほぼ同じ構造だ。





ちょっと給油したら動きが多少良くなったので、徹底的に汚れと油を落とそうと、新兵器・超音波洗浄器・CITIZEN SW5800)で清掃した。本来は前板を外し、後ろ玉も外した状態で行うべき作業だが、面倒なのでこのままレンズバレルのみベンジンに漬けて洗浄した。その後改めて給油したらほぼ完全に動くようになった。使えなかったバルブも作動する。

(超音波洗浄器は水を入れて使う。ベンジンなど引火性の溶剤は危険なので禁止されている。真似はしないで頂きたい)



リストストラップは嫌いなので、軍艦部止めネジを長いものに変え、ストラップを使えるように金具を作って取り付けた。ストラップには「CONTAX」のものを取り付けた。ヤシカは後の京セラ・コンタックスだから、これもありか(笑)



《試写》

試写はKODAK T-X 400にて行った。ハーフ向きのフイルムではないが、暗いところもいけるだろうと期待した。現像はシュッテックラー二液式にて



400だと最高速で絞り込んだ状態に近い。NDがあれば使いたいところか



1メートル付近



1/15秒で1.4が限界のカメラ(それ以下は開放・バルブがあるが実用性は低い)だから、この程度だと明るさの心配はない

☆トライの荒さは昔より改善されているが、それでもハーフ向きではない。昼間だけならアクロスを使えばより描写するだろう。その点を差し引いて見れば、これも立派なハーフカメラだと感じる。遠景がきちんと出る。アップで看板などをしっかり解像する、室内でも手持ちでそこそこ使える。ずっしりとくる重さで、手ブレは案外しにくい。

つまり、スナップカメラに求められる性能がほぼ達成されている。100-200のネガカラーを入れ、枚数をあまり気にせず写しまくるという用途には最適だろう。一般のハーフでは最低速1/30秒でf2.8が普通だから、3段稼げるこのレンズには大いに存在価値がある。太いレンズバレルとギンギラのメッキは、若い人たちに「なんかかっこいい」と言われた。古臭く感じないそうだ。

元記事へのリンク


戻る