RICOH CADDY(再々)

 私的な繁忙期(学生の夏休み)が近いから、たまっていた報告はどんどん出す(笑)

ジャンク6台シリーズ三番手、リコーキャディー。実は、ジャンクセットにこれが入っていたからビッドしたのだ。私にとっては ベストハーフフォーマットカメラだから、スペアは何台あっても良い。レストアに至っては そろそろ10台になるだろう。



 全体的にはきれいで露出計も含めて清掃のみできちんと使えるのだが、唯一ここをぶつけたようでへこんでいる。



 先ずは軍艦部を外す。シンクロ接点はシューで接続するタイプで、露出計連動ではないので全てすっきり外れる。清掃と板金 加工のために露出計やファインダーを全て外す。



 大きな凹みではないが、角が平になっている。普通の凹みと違ってきわめて叩き出すのが難しい。



 木材に正常な逆側を型にしてほぼ近い形に凹みをつけ、アルミ角棒の先を内側に近い形に削り出して、内側から叩く。ある程度出たら 外からも軽く叩いて修正。ただし、外から叩く場合は叩く部分にマスキングテープで養生しないと予期せぬ傷になるから細心の 注意が必須。



 実にすっきりしていて整備しやすいが、ここで出来るのはカウンターと巻き戻し軸のみ。



 凹みがある程度直ったので、ついでにアイレットを追加する。これがあると視覚的に傷が目立たなくなるし、実用でも便利なので 本気で使いたいカメラで片側しかアイレットが無いものには追加している。



 最初から見ればそこそこ見られるようになった。アイレットが多少大きいのはご愛嬌













《試写》







 オートハーフの元になったレンズで、ピント・シャッター速度と絞りが選べるから悪いはずがない。スキャナーのピントが甘い が、焼けばもちろんきっちり出る。近いところから遠景まで、カメラマンの腕にストレートに答える。ハーフだからという言い訳が 出来ないカメラとも言えよう。これらでは目立たないが、純正のUVフィルターはピントが甘くなり、逆光ではフレアが入るので ガラスは外し、艶消し塗装してフードにするか、黒紙を貼って捻じ込みキャップにする。

☆今後について、私の老眼では見えにくくかつ極めて廻しにくいシャッター・絞りリングにはっきりした指標と取っ手を付けたい。 このカメラの撮影ではケースの価値はない。ケースをつけたらシャッター速度も絞りも読めず、EVのみで使わねばならなくなる。 シャッターと絞り設定の廻しにくさと小さ過ぎる指標の数字が最大の欠点だ。

それでもこのレンズが魅力的なのは言うまでも無い。

☆小改造



 シャッター、絞りリングに取っ手を付けるために分解。ついでにシャッター整備。特に問題なし。



 小さな木材ブロック(チーク)を切り出す。



 エポキシで接着。ここに穴を開けてタップを立てるのは不可能なので接着剤の強度が頼み



 乾燥後、整形して組み立て。こんな小さなポッチでも使い心地は飛躍的に上がった。特にシャッターの変更は楽になったのが 実戦的にありがたい。


July 2013

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