ZEISS IKONTA 520/18



テッサー1:3.5 f=5cm 127フイルムで34判のベビーイコンタ



 Kzさんの愛機で経年劣化はあるが今もしっかり現役。127シリーズの一つとして今回テストさせてもらった。蛇腹と 塗装の一部をタッチアップしてすぐに使ってみた。



 大きさは645のセミイコンタより一回り小さい。透視ファインダーなどはフォールディングカメラの基本通り。シャッターは レンズ横のレバーで直接切る。前玉回転式だからレンズ周りが撮影設定とレリーズ、本体側がフイルム送りと完全に独立した 原始的な構造だ。ベビーには距離計は無いので目測必須。ドイツカメラはメートル表記だから使いやすい。ファインダーは 倍率100%のフレーム式。フレーム式は汚れの心配が無く、意外なほど使い易い。

 レンズは3.5と4.5があるが、この個体は3.5で、最高速1/500の旧コンパーつきと高級仕様。実測で3p×4cmのアパーチャーに 50oレンズなので35oカメラでは40o程度になる。被写界深度が深いのでスナップで困る事は無い。

 この直後に同系を整備した記録はこちら









 使うのはほぼ廃盤の127フイルム。まだ市中にごく少数エフケなどがあるが、いつものフイルムを使いたければ自家切り出しが 前提になる。

《試写》

 NEOPAN SS にて









 1枚目は車のエンジンの振動でちょっと手ブレしている。シャッターがバレルの横のレバーなので、操作は軽いのだが安定が 良くない。2枚目と4枚目は画面外に太陽がある。しかし蛇腹の強みできちんと出た。フイルムの位置固定が曖昧な他の127カメラ と比べ、圧板を持つ明確なものなので遠景でもしっかり出た。

☆小さくともツアイスと感じる。目測イコンタとして感覚的には645のセミイコンタを使っているのと変わらない。2つの赤窓に 交互に数字を合わせて使うが、127で16枚、120切り出しだと20枚写せる。フイルムサイズ的には35oカメラより大きいから 画質も良い。しっかり作られていて、ファインダーなどかちっとしている。ネガカラーだと色付けが少ないのでより楽しめる。

 フイルムが供給されているなら魅力的なカメラだが、自家切り出しでないとほぼ使えないフォーマットだ。そこで、35o フイルムを裏紙で巻き込んで使う手がある。パーフォレーションが写しこまれるのが面白いし、2.4×3p(パーフォレーション 込みだと3.4×30)として実用になる。


☆可愛いですね。手間ですね。でも使えるのが良いです>Kzさん


December 2015


トップに戻る