TOWER (Yamato PAX Jr.)



TOWER 55、大和光機RIPPA のタワーへのOEM機種らしい。 似た機種はこちらに出ている。こちらで兄弟機が参照できる。

 レンズはPAXシリーズ共通で、それらから距離計連動を省いて目測にしたものだから、RIPPAやJr.という名前になり、それの OEMでタワーになったようだ。大和光機は戦後すぐの頃にOEMをいろいろ出している。



 シャッターが不調なので開く。前玉回転なので、無限に合わせてイモネジを緩め、位置をマークして前玉を外す。簡単に 外せられれば良いが、これが意外に難物だ。ちょっと廻そうとして直ぐに緩むものは少ない。イモネジはスリワリを痛めたら直せない。 少しでも固いと感じたら、油をさしてしばらく置くのが大事だ。その上で、ぴったり合うドライバーで「押しが七部、廻しが三部」 でしっかり廻す。上手く緩んだら必ず前側からも油をつけておく。これで以後の作業が確実になる。



 ここまで外すにはヘリコイドになる中玉部も外す必要がある。シャッター自体は単純で、バネ外れで閉じきらずにスタック していたので回復した。



 構造的には以前にレストアしたPAXと2型とは異なるシャッター構造だった。より簡易的で だが本格的なスローガバナーを持つ。最高速は1/300だが、ちょっと遅い。



 初期型、M2型と並べてみた。バルナックというよりMライカやキヤノン7に似ている。PAX M3の簡易型と感じる。












《試写》

 FP4+にて実施してみた。









 残念ながら近距離では後ピン、遠距離は問題外のボケボケだった。レンズ裏返しなどを疑い、いろいろ試行したが、すっきり 結像しない。従って、これは本来性能ではない。

☆簡易型だが距離計が無い分ゾーンフォーカスとして目測して使うのは使い易い。ピントが本来のものなら十分使えると推測できた。 この報告後ももう一度追及するつもりだ。


☆ちょっと残念な結果でした。完全なら期待できますね>noBuさん


February 2016


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