GRAFLEX 23 Crown Graphic (2)



部屋に転がっていたシリーズ、23クラウン。 以前に紹介した物とは微妙に木製スタンダードなど細部が異なる。おそらく旧タイプ。



 使っていなかったのは矢印のレンズボードのストッパーが折れているから。このままでも無理すれば廻せるが 如何にも使いにくい。



 アルミ板でカバーし、カバーと下をエポキシで一体化、使えるようになった。



 その他としてはフレームファインダーの接眼側が失われている。これは必要なら手持ちのもので代替可能なので、 レンズはどうしようか考えた(付属していなかった)69だとクラウンは105oが標準なので、手持ちの中から ダイアルセットのフォスの105oを選んだ。これはおそらくプレートカメラ用だが、本体なしのジャンクの一つとして 入手したものだ。



 フォスのドッペルアナスチグマート、前後が完全に同じ二枚玉で、ラピッドレクチリニアーなどとほぼ同時期の レンズ。同じレンズの対称配置で収差を減らし、実用度を高めた。





 セットリングがないので、ベニヤ板にギリギリの穴を開け、少しずつ削りながら捻じ込む。水平に注意して行うと 捻じ込み固定が可能になる。その後、ネジ部を黒いテープで養生してからゴム系接着剤で固める。これでしっかり 使えるし、不要になったらテープごと接着剤を取り除けば無傷で外せる。

 同じ焦点距離であっても、無限位置はレンズごとに異なる。また、名目の焦点距離はあてにはならない。わずかに 異なっている場合がある。しかし、ピントグラスで見る限りオプターの位置のままで使えそうだ。よってこれにて準備完了。











《試写》

 期限切れして10年以上のフォルテパン100で行ったので、ベースフォグや粒状性は不問にされたし









 特に問題なし。被写界深度が浅く、奥に向かってボケ易いが合焦部はきちんとしている。前ピンなので少しレンズ位置を後に 調整する必要はあり。

☆23クラウンは45クラウンのミニチュア版で、最初は6.5×9のプレート用だが、120ロールフイルムに対応するバックに 改められた。この改造はメーカー自身が行い、現存する多くがロールフイルム仕様になっている。これもその一つで マミヤRBのホルダーがそのままつけられる。もちろんグラフレックス純正がベストだ。マミヤのものは脱着が いささか不安定だ。

 カメラとしてはこのタイプの標準的なもの。ライズとティルトとアオリは少ないが、スナップでアオリは使えないし、 69での必要度は低いから問題はない。堅牢で経年変化しても使い続けられるのは材質と基本設計の良さだろう。

 距離計は90o程度から200o前後までセットできるが、この調整は極めて微妙かつ面倒だ。出先での変更はほぼ無理 だから、ちっょと広角を付けっ放しにしてして、トリミングで運用が正解だろう。


July 2016


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