RICOHFLEX Z(後期)



 リコーフレックスのZ型、以前に紹介したものは前期、これはドイツ式 シンクロターミナルやアクセサリシュー装備などから最後期である。

 先日Sコレクションを訪問した時に頂いた。物欲ではなくカメラを整備したい、直したいと言うJFC的ネジネジ症候群 のなせる業だ(笑)

 不具合はこのカメラに多発するヘリコイド固着。ご丁寧に上下両方手で動かないほど固まっている。



 外側のギア部を外して上下の連動を切り、ビューレンズはヘリコイド部にジッポーオイル+ウォーターポンププライヤーで 動いた。テイクレンズは中玉の根元が外れてヘリコイドは固まったまま。これもじっくりやったら何とか分解できた。



 全て分解して超音波とガソリン洗い、グリス充填で復活した。レンズはきれいだ。シャッターも軽く清掃給油。



 レンズの組み立て。前板が簡単に外れるので極めて整備性が良い。





 この簡単な構造がコストを削減し売価を下げ、リコーフレックスを世界一売れた二眼レフに押し上げた。



 フイルム装填は中子で行う。簡単で操作性が良い。これで精度が保たれるのだから驚きだ。古いフイルムが入っていたので 現像してみたが、残念ながら画像は無かった。



 ミラーは交換の必要なし。清掃のみ実施。



 組み立ては10分掛からない。実に合理的だ。整備していれば壊れるところが無いカメラ、100年後もきちんと使えるだろう。



 このカメラの真の肝はレンズにある。全てOEMで富岡など信頼できるものを使っている。レンズが良ければ多少の使い にくさなど問題にならない。



 特徴的なコンツールファインダー、片目がファインダー、もう一方で直接被写体を見ると脳で合成され、空中に 枠が見える。慣れると面白い機能だ











《試写》

 APX400にて試写した。多少カブリがあるのでコントラストなどを調整した。









 問題なく使えた。一枚目の人物は開放でほぼ最接近、三枚目も開放描写、その他は11程度だが、それぞれしっかり写っている。 三枚目は距離を5メートルに合わせてみた。開放だと多少のぐるぐるボケがある。

☆カメラ名を伏せたらどんな二眼レフかは想像が付かないだろう。単純な構造なのにピントもコントラストもしっかり している。三枚玉に簡易シャッターの前玉回転ヘリコイドと低スペックなのに、描写は一流だから痛快だ。 二眼レフの傑作と言うにふさわしい。


☆うまく行きました。後は誰か若い人に託します>Sさん


August 2016


トップに戻る