KONICAT 2.8
右側のKONICAの番。これもK.I.Mさんのもの。アグファのついでにシャッター粘りを清掃するということで
預かった。
シャッターブロックのベンジン漬け。シャッター羽根は油でベタベタだ。おそらくCRCなどを吹きつけたのだろう。
これをやられると「形だけは動く」がシャッター羽根が粘り、ヌルヌル動くようになる。最高速でも1/2秒は掛かるから
全く使い物にならない。しかも放って置くと揮発分が次第に抜け、完全接着になってしまう。
ベンジンに漬けて何度かシャッターを動かしてから放置する。この場合、シャッターの前は開かない。コンパータイプは
組んでおかないと動かせないし、部品を落とす元にもなりかねない。動かさないと羽根の根元の油が取れないから、
分解は油落し後にすべし。
数時間後、何度もシャッターをベンジンの中で切って、すっきりしてきたので乾燥中。内部の確認はするが、給油は
しない。ベンジンに溶け出した油分が残るから、あえて給油は必要ない。それよりベンジンをしっかり飛ばすのが
大事だ。出来るだけ拭き取り、気化熱で結露しないよう努める。放置すると細かいところに水を残すことになる。
レンズはすっきり抜けているので問題なし。
ファインダー周りも分解して清掃、良く見えるようになった。巻上げ部には給油して動きが軽くなった。
ヘキサノン50o2.8
《試写》
プレストにて
明快で解像等問題なし。逆光で絞りを開いても軽いフレアーの中でトーンが出ている。
☆コニカT型はここまで何回か触っている。2.8は初めてだが、3.5の延長上にある。
明快なトーン、周辺落ちの無いすっきりした解像、逆光では薄く全体に掛かるフレアーなど良く似ている。2.8と3.5では
実質的にほとんど差がないが、すこしでも大口径を欲した低感度フイルムの時代だけに、4.5-3.5-2.8-2.0と
どんどん明るくしていったのはわかる。チャレンジーな明るさではなく、必要に応えて進化していったのだろう。
巻上げ止めはボタンで解除、シャッターセットが必要、シャッターはバレル横でダイレクトに切るなど、連動するのは
距離計のみだが、写したら即巻上げて、ターゲットを見つけたらシャッターセットしながら近寄り、ピントを素早く
合わせてシャッターを切れば「最初の一枚」は連写カメラと同等だ。こういう原始的なカメラを思いのままに扱うのは
いかにも機械を操作している感じで楽しい。常用はきついがたまには触りたくなる。
☆絶好調です。ご愛用ください>K.I.Mさん
Apr 2017