プロって何?


以下は大先輩のビュッカーさんのお話だ。

大手?修理店(2店)から修理不能で返されたフォクトレンダーVF101 (黒)をレストアしています。私のページの掲示板に発言があり、依頼されたカメラです。

内部は、プロの仕事とは思えないはんだ付け、断線がありました。これを再配線したら、 露出計は復活。しかし、(絞り優先)速度が変化しません。絞り優先ですので、回路素子がやられて いるかもしれません。



まったく困ってしまう話だ。最近修理に出したのにだめな例を良く聞く。「部品が無いので修理不能」とか 「メーカーサポートが終わっているので直せない」なども多いそうだ。
私はすべて自分で何とかしようとするから実害は無いが、ビュッカーさんの例にいたっては、もともと一応 動いていたものを、壊して返してきたようだ。

同様の経験を私もした。別項にあげている「海でいただいたカメラ、オリンパスペンD」だが、元の持ち主は 巻上げなどの不良を修理に出したところ、「部品が無いので直せない」と戻ってきたので、あきらめて捨てよう としていたところだった。それを私が貰い受けて、シャッター故障を直したのだが、どうにも巻上げがおかしい。 オリジナル状態がわからないので、このカメラの経験豊富なたかさきさんにお願いし、見事復活させていただいた。
たかさきさんのお話では「部品が足りなかった。巻き上げ部のラチェットが逆に入っていた」ということだった。
私は部品を無くしていないし、逆に入れた覚えも無い。その部分には触っていないのだから、逆にしようが無い。 どう考えても以前修理を依頼された店で、部品を無くし、逆に組んだとしか考えられない。

いったい、プロって何だろうとつくづく考えさせられる。



うれしい話

レストア欄で、オリンパス・ペンDとユニバーサル・マーキュリーUを海で偶然会った方に頂いた。 たかさきさんの助けを借りて、なんとかレストアした。ホームページへのアップを したので、元の持ち主の伊東さんへお礼の手紙とこれで写した写真・CD-Rなどを送った。

2日したら返事が来た。以下はその全文である。


前略 2002年もおしせまって参り、何かと忙しい時候です。
先日はペンで写した写真を見せてもらって、色調も明暗もよく仕上っているので、さすがはプロの修理仲間 と感心致し、カメラもさぞ喜んでいることと存じます。
USAのカメラも資料を見て珍しい回転シャッターで私もやっと説明を見て判りました。
これからも楽しみ乍ら頑張ってください。

寒い時期は田子浦港は中々行かず、三月ー四月以降PM2:00〜3:30頃は行く予定ですので 再会できると思います。《原文より引用》


レストアをしていてこういう体験に会うととてもうれしい。カメラを金儲けのためだけに漁る人や、 金にまかせた外国カメラを自慢する人たちと比べ、機械としてのカメラをわが子のようにかわいがって くれる方と出会えたことが何よりうれしい。また、医師として多忙なたかさきさんが「送ったら診てあげる」と 快く応じてくれ、ご自分の部品まで使って直してくれたのも同じ気持ちの好意として率直にうれしい。
レストアに関わって本当に良かったと思う。

伊東さんとの再会は来年の春。それまでご健勝に過ごされることを願っている。




戻る HPUトップへ サイトマップへ戻る