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シャッターテスター 新型

 以前からシャッターテスターでお世話になっているk_h_inaさんが新しいシャッターテスターを試作された。以前の私の記事で生意気な感想を書いたところ、それらに全て対応した機種を開発されたのだ。テストしてみないかとご提案があり、技術的な説明はこちらで見ていただくとして、使い心地などいろいろ感想を報告させていただくことになった。







 非常にコンパクトで、平均的な煙草の箱よりちょっと小さくかつ薄い。これが単四電池二本を内蔵して自律的に作動する。





 テストは初期型と併用して比較してみた。テストカメラはシャッターを超音波洗浄し、安定動作しているコニカUを用いた。このカメラはレンズバレル部でシャッターセットし、軍艦部のシャッターボタンでレリーズするが、レンズバレル部のレバーなら巻き上げずに連続で切れるからテストしやすい。

 新型の感度は十分高いが、受光部の指向性が高く、ライトの光が真っ直ぐ入らないと信号を拾えない。旧型はフイルムアパーチャーに受光部を固定するのでこの問題は起らない。ただし、これは欠点ではない。この指向性の強さには副次的な利点(後述)がある。

《計測結果》



《総評》

「光の最大値を計測し、その1/2を計算し、その間をシャッター速度として求める」というプログラム仕様だそうだ。これはJISの定義にそったもので、シャッターを通して光源からの光を得られれば、その強弱を相対的に演算してシャッター速度を求める。つまり光が届く限りその強さに関わらず速度を正確に測定できる。まさに論理的に正しい機械である。

 計測した値は旧タイプと比較で示してみた。多少のばらつきはあるが、両者に有意な差は無い。機械式シャッターは新しくても、また、整備が完全でも作動にバラツキがある。特にエキストラのバネを追加するタイプ(このコニラピッドもそのタイプ)の最高速は、1/500秒が1/350秒ならまともな方で、1/250秒より遅い場合さえある。(電子制御とは精度が大きく劣る)

☆受光部が小さいので、試みにフォーカルプレーンシャッターで試してみた所、良い値が測れた。設計者によると受光部の前に0.7ミリ程度のスリットを追加すれば、フォーカルプレーンシャッターも計測できるそうだ。幕の速度は測れないから補助的ではあるが、精度の高さがうかがい知れる。

《謝辞》

 k_h_inaさん、今回も大変お世話になりました。ありがとうございます。


February 2012


2011 March
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