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ソ連のカメラから出てきたフイルム
古いカメラから現像されていないフイルムが出る事はたまにある。今までにも何本か
現像している。
これはツイッターで知り合った黒田さんのソ連カメラ、サリュートから出てきたもの。
どんなカメラかなどの経過はこちらにある。
まあそんなわけで、野次馬根性で現像を引き受けた。
例のソ連らしいぼろい赤紙に簡易印刷で、感度は80のモノクロと言うことだ。紙が厚い割には全体が細いのでフイルム
ベースはそれ程厚い物ではないと推定。オーナーのお話から少なくとも30年以上前のものだろう。
こういうフイルムは巻き上げテストなどのために入っている事が多いが、フイルムをテストに使うなどソ連時代にはまず
ありえない。そんな贅沢は社会主義者として許されない!(笑)おそらく完全な忘れ物だと思った。
未現像の古いフイルムは潜像が退化する。カビが生えるの二つが画質劣化の最大ポイントだ。過去の経験から少なくとも
一般フイルムで二倍増感くらいは掛けないと絵にならない事が多い。D-76では役不足、強く増感できるSPD(スーパー
プロドール)を使うことにした。ネガ濃度が濃くなる分には救い様があるが、薄くてはノイズに隠れて拾えない。
私のSPDはウナギタレ方式(継ぎ足し現像)だから現像力はノーマルより低いが、その分暗いところはそこそこ救われる
ので、これを20度6.5分と設定した。実効値的にはフイルムによるが2ー4倍の濃度になるはず。
現像中。一応温度安定のためダブルバット式にした。
盛大に被った部分もあるが、何とか画像が出たようなので乾燥した。長い間最後の数枚でストップしていたのだろう、
明らかに逆の巻き癖が付いた部分がある。予想通りフイルムベースは薄く、腰が無い。
リーダーペーパーは国産と比較したら当時物としても低品質だが、実質が良ければ構わないのがソ連式。
☆正装した人物が映っていた。おそらく高級幹部の家族記念写真だろう。激しいノイズをちょっと修正しようと
思ったがやめた。私にはKGBの修正能力は無い・・・
☆面白かったです。楽しめました!>黒田さん
October 2013