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Rapid Rectiliniar 古典レンズ
ラピッド・レクチリニアーを手に入れた。これはコダックの
No.3Aで既に報告している古典レンズだが、今回はヤフオクで捨て値でぐるぐる廻っているのを見るに偲びず、
二番煎じを承知で手に入れたものだ。前回はレンズについてろくに触れていないから追記と言うことにする。ただし
レンズはボッシュアンドロムで同じものだが、シャッター形式は以前のものとは異なる。
レンズ周りのみなので、テスト用にボードを作る。34スピグラ対応の物。
これは4×5用で穴を開ける前。4×5のホルダーをピントグラス用に改造したときに出た中のセパレーターを張り合わせて
リンホフボードを作った。
前玉はそこそこ良いがシャッターが不調。
あっけないほど簡単なシャッターで、これでもT、Bと3速ある。二枚羽根だがエバーセットではない。
1・B-I-Tの切り替え、2・シャッターセットレバー、3・速度切り替え、4・メインスプリング、5・羽根開閉パーツ、6・
シャッター開閉ホールド部。
1に応じた6で5の動きを規制してタイム・バルブ・インスタントを切り替える。速度はメインスプリングを引く長さで
決めると原始的だが、これで最高速はほとんどぶれることなく1/100秒を示した(整備後)。下は1/15、1/30くらいだ。
1/100に関しては私がかつて整備したどの旧コンパーより安定度が高い。
レンズはまさにお手本のような対称型で、前後の違いは「Eastman Kodak Bosh & Lomb OPTICAL Rapid Rectiliniar」の
銘があるかないかだけだ。後ろ玉には貝殻割れが見られるので墨を入れた。墨を入れると開放での明るさがわずかに低下するが、
この程度では違いはわからないからほとんど無視して良い。乱反射するよりずっとましだ。
組み込むとこんな感じ。実はこのカメラは23クラウンだ。いけると思ったが無限が出ないので一回り大きい34スピグラに
乗せ換えた。
これも23クラウンだが、34スピグラもほとんど同じ感じなので試写風景は割愛。
《試写》
前回のテストで4×5まで使えるとわかっているが、枚数を写したくてアクロス120にて実施
☆遠景・近景・逆光・接写の全てできちんとした結果が出た。接写はレンズ前で30p程度である。ピントも内面反射も
問題ない。画像的には平均的な66二眼レフに匹敵する。
このレンズは20世紀初頭のものである。この結果を見ればわかると思うので多くを語る気は無い。「レンズの進化とは
ずいぶん緩慢だった」と改めて感じている。
February 2014
2016年6月、このレンズを45クラウングラフイック+フォマパン400で写してみた。
スキャンサイズ 600dpi(クリックで展開)
スキャンサイズ 600dpi(クリックで展開)
☆4×5を周辺落ち無くこなしている。もちろん画像のピントは甘いが、それでも一応の解像力がある。一枚目は1/100秒
絞りは約22、二枚目は1/100秒48程度に絞っている。天候は本曇りで太陽はほとんど出ていないが、二枚目の海側は
東(画面右)に太陽がわずかに存在がわかる程度に出ていた。
使ったのは「かわうそ商店」からしいれたフォマパン400、安価なのにきちんと諧調が出る良いフイルムだ。
改めて昔のレンズは本来のフォーマット(それに近いフォーマット)で評価すべきと感じた。